クオリティの高いロゴが安く作れるデザインクラウドソーシング DesignCrowd入門

前回の記事は世界中のデザイナーに格安でロゴなどを作ってもらえる「DesignCrowd」がすごい - Startup Realityです。先にこちらをご覧いただければ幸いです。弊社の会社ロゴ兼サービスロゴはこのDesignCrowdで作りました。


今日はこのとっても便利なDesignCrowdの使い方をチュートリアル形式で説明しようと思います。流れの中でDesignCrowdの細かい仕組みも説明していきます。*1

私はロゴデザインを頼んだので、その流れで説明します。基本的には他のデザインでも変わらないと思います。

デザインコンテスト開催の流れ

  1. コンテストを開催する
    1. 賞金を決定する
    2. プロジェクト詳細を記述する
    3. オプションを選択する
    4. 開催費、賞金、オプション料金を保証金として入金する(デポジット制)
  2. コンテスト開催中
    1. 特定のデザイナーを招待する(オプション)
    2. デザイナーに改訂をお願いする
  3. コンテスト終了後
    1. デザインを選ぶ
    2. デザイナーに改訂をお願いする

アカウントを作成する

最初にアカウントを作る必要がありますが、スクリーンキャプチャ取り忘れたんで、割愛します。普通にサインアップできます。

賞金を決定する


賞金の額によってデザイナーの集まり具合が変わります。反対に言えば、賞金の大小は応募数にのみ影響します。
これとは別にコンテスト開催費用としてDesignCrowdに$40支払う必要があります。*2なお、ロゴの場合は最低価格は$200です。


今開催中のコンテストを賞金順にソートしたものがこちらですが、意外と$400もかけているのは少ないです。ただし、$400かけるとだいたい100デザイン近くは集まっています。*3
なお、終了したコンテストを見てみると、$500とかでも応募数が少ないので、おそらく最近は応募数が増えているのではないかと推測されます。実際この画面キャプチャにも$400で70-85のデザインが期待できるよと書いてありますが、調べ始めた3月末頃は同じ賞金額で50デザインと書かれていました。

プロジェクト詳細を記述する


どんなロゴが欲しいかというのを記述します。バルーンヘルプが出るので例を参考に適当に記述してください。
「Show Advanced Brief Options」をクリックするとさらに詳細に記述することができます。
おそらく悩むのは期間だと思います。5日、10日、15日から選べて、私たちはデフォルトの10日間にしました。*4とりあえず10日間で160デザイン集まったので10日間にしておけばよいと思います。これも期間を短くすると応募数が減り、長くすると増えると思われます。
参考までに私が書いたのはLogo Design: Logo for new web meeting tool "co-meeting" | DesignCrowdです。


なお、Logo Design: singapore firm needs creative,elegant,original logo | DesignCrowdこの空っぽさ加減で、115デザインも応募があったりする(Logo Design Contest: 'singapore firm needs creative,elegant,original logo '| DesignCrowd)ので、あまり書かなくても平気かもしれません。DesignCrowdすごいです。

オプションを選択する

DesignCrowdはよくできていて秀逸なオプションがいろいろあります。こういうオプションで少しずつお金を取るところが上手です。

一つずつ説明していきましょう。

Guarantee Project (+$0)

実はDesignCrowdはデフォルトでは100%返金保証なのです。つまり、コンテストが終わって気に入ったのがなければ、保証金として入れた賞金を全額返金してもらえます。
しかし、誰も賞金をもらえないかもしれないコンテストはデザイナーにとってリスクがあります。この「Guarantee Project」にすると、この100%返金保証の権利を放棄すること、つまり賞金を必ず払うことを保証することで、デザイナーのリスクを低減します。それにより応募数の増加が期待できます。Guarantee Project以外のプロジェクトには60%のデザイナーが応募しないと書かれていました。

我々は最初返金保証のままにしていました。しかし、最初の2日くらいでけっこうよいのが集まり、これは選ばないということはなさそうだったので、応募数増えるならやってしまえと、途中からGuarantee Projectに変更しました。効果のほどはよくわかりません。2日間で25デザインと変更する前もかなり応募がありました。

Make Project Private (+$25)

プロジェクトをDesignCrowdにログインした人しか見ることができないようにします。Google検索などにもひっかかりません。他の人に見られたくない場合にこれを選択するとよいでしょう。

Highlight in Job List (+$10) / Featured Project (+$35)


デザイナーの見るコンテスト一覧画面で自分のコンテストを目立たせます。Highlightは背景を黄色くします。Featuredは星マークをつけ、必ず1ページ目に表示します。
ただ、過去のコンテストの応募数を見るとあまり効果はないようなので、我々は使いませんでした。

Design Rebranding Functionality (+$10)

バックエンドをDesignCrowdにして違うブランドとしてデザインビジネスを行うことができるよというサービスのようです。 よくわかりません。

Promote via Social Media (+$20)

これを申し込むと、TwittrとFacebookで宣伝してくれます。

効果のほどはわかりませんが、なんとなく申し込んでしまいました。

開催費、賞金、オプション料金を入金する


私はPayPalで払いました。

特定のデザイナーを招待する

これまたおもしろい仕組みで、コンテストに特定のデザイナーを招待することができます。
$15か$20か$40の参加報酬をつけた招待状を指定したデザイナーに送ることができ*5、デザイナーはコンテストに参加するだけでその参加報酬を受け取ることができます。当然参加してくれなければ報酬を払う必要はありません。


招待の仕方は、招待したいデザイナーの画面で「Invite to project!」を押して、招待するプロジェクトを選択し、招待状を送るだけです。


DesignCwordの統計によると参加報酬をつけると92%の確率でデザイナーがコンテストに参加してくれるらしいのです(Can I invite designers to my project? | DesignCrowd)。でも、うちも一人招待したのですが、参加してくれませんでした…

これでコンテストが開始されます

デザイナーの招待は途中でもできますが、早い方がいいでしょう。
とりあえず応募を待ちます。どきどきしますが、落ち着いて待ちましょう。すると、続々応募が来ます。私たちは2日間で25デザインの応募がありました。

デザイナーに改訂をお願いする

だいたいみなさん「感想教えて」とか言ってくるので、感想とか要望とかがしがし言ってみましょう。
コンテスト中でもデザイナーにフィードバックをあげると、デザイナーはがんばってどんどん改訂版を作ってくれます。
実際最終的に160デザイン応募がありましたが、デザイナーは36人です。どれだけ改訂が多いかわかるでしょう。
フィードバックの方法は2つあります。
[Manage Project]の画面の[Message the designer]か[Provide feedback]からデザイナーにメッセージを送ることができます。

[Message the designer]は以下のような画面でメッセージだけを送ることができます。

[Provide feedback]は以下のような画面で評価とかを書かないといけなくて面倒です。

通常はおそらくフィードバックを使うのが正しいと思うんですが、選択が難しかった(そして最初フィードバックに気づかなかった)ので、私はメッセージを送っていました。 でも、デザイナーさんは問題なく改訂してくれていたので大丈夫だと思います。


英語でのやり取りですし、けっこう時間も取られるのですが、このプロセスが非常に大事です。これをやることで応募数は大きく増えるし、要望に添ったものができあがってきます。と思います。
英語の勉強と思ってがんばりましょう。やってるうちに意外と英語のやり取りも楽しくなってきますよ。

コンテスト期間終了後

コンテスト終了後から14日以内にデザインを選択します。*6応募デザインが気に入らない場合は期限を延ばしたり、賞金を増やすことができます。
気に入ったデザインを選択したらデザインハンドオーバーフェーズに入ります。

Design Handover


この時点でAIファイルやEPSファイルをダウンロードできるようになります。しかし、まだデザイナーへの支払いはされません。
このフェーズではさらにデザイナーとメッセージをやり取りし、細かい改訂をお願いすることができます。
改訂に満足したら、"Approve Designs"を押します。そうすると、デザイナーに報酬が支払われます。
デザインを選択後、7日間ファイルをチェックしないと自動的にデザイナーに支払いが行われます。


デザイナー次第ですが、色、フォント、レイアウトなどの簡単な変更であればだいたい無料で対応してくれるようです。うちはカラーバリエーションはコンテスト期間中に作ってもらってしまっていたので、このフェーズでは特に修正はなくモノクロ版を作ってもらっただけです。


これで完全に終了です。

(参考)その他のシステム

Freelance Design Project

今回はコンテスト開催の説明をしましたが、もう一つFreelance Design Projectというプロジェクトにすることもできます。これは特定のデザイナーにデザインをお願いできるシステムです。最初に$10の参加費を払い、その後は予算を先にいくらか入金し、その金額をデザイナーが作品を上げてきたらそこから同意した分だけお金が引かれるという形で進んでいきます。

複数のデザインを選択したい場合

3位まで賞金をつけることができます。これはコンテスト途中でも可能です。ただし、今まで設定していた賞金を分けることはできず、あくまで賞金を追加することができます。
そうすると3位までに選んだデザインを全部もらうことができます。

まとめ

なんだか大作になってしまいました。別にDesignCrowdの回し者ではないのですが、気に入ったサービスなので誰かに使ってもらえたら幸いです。
私たちが選んだco-meetingのロゴはセルビアのデザイナーの方の作品でしたが、自分の会社のロゴをセルビアの方が作ったとか時代を感じられて楽しい気分になれますし、ネタにもなりますよ^^; そして英語の勉強にもなりますよ。

*1:ちょっと書き方を悩みました。チュートリアルにしないでまとめて書いた方がよかったかもしれない。

*2:今は表示が変わって開催費用込みの価格が表示されているようです。

*3:私が3月末頃に見たときの情報なので今は違っているかもしれません。

*4:3月末に調べていたときはデフォルトが30日間でどんな日数も選べたのですが、質問が多かったのかシンプルになっていました。

*5:おそらく賞金によって参加報酬が自動的に決まるのだと思います、私の場合は勝手に$20になりました。

*6:この日数は必ず14ではないかもしれません。ヘルプには31日と書いてあったりしますが、14日以内とメールが来ました。コンテストの日数により変動するのかもしれません。